世界に発信できる脳卒中治療の新しいエビデンス
MCA Embolism Local Fibrinolytic Intervention Trial
  ホーム  |  MELTの概要  |  図書室  |  リンク  |  研究参加者用サイト  |
超急性期脳梗塞に対する局所線溶療法の効果に関する臨床研究
―超急性期局所線溶療法多施設共同ランダム化比較試験―
症例登録は研究者用サイトへ
ホーム > MELTの意義

 
 

   脳塞栓症は脳卒中の1/4を占め,他の型の脳卒中に比較し重篤で,しばしば致死的あるいは重篤な神経学的後遺症をもたらし,多くの国民の健康を脅かし,介護など社会的・経済的負担をもたらす大きな原因ともなっています.従って脳塞栓による神経損傷を可及的に減じて治療法を開発することは極めて重要な課題です.虚血性神経損傷を減ずるには急性期に介入することが最も効果的です.中核的病院では急性期脳卒中患者のうち発症後3あるいは6時間以内に病院に搬送されるものの割合は1/3以上に達していることが最近の調査で明らかになっていて,現状で早期介入の下地はできています.しかしながら決定的な急性期治療は未だ存在しません.その中で血栓溶解療法は最も効果的なものと期待されています.
   虚血性脳血管障害における血栓溶解療法は,血栓溶解剤は血栓で閉塞した脳動脈を再開通させ,再開通による虚血組織の早期の再循環は神経学的改善をもたらす,という2段階の論理で成り立っています. 血栓溶解療法には血栓溶解薬の静脈内全身投与と動脈内投与の二つがあり,全身投与は,技術的には容易ですが,局所までの薬剤の受動的運搬,全身の血液による希釈,また拮抗物質による不活化,などのため効率が悪いと言われています.これに対し動脈内投与法(局所線溶療法)では薬剤を直接血栓に暴露させることが可能であるため,効率がよく,再開通も高いと考えられています.しかし,技術的に複雑で時間もかかり,手技に伴う合併症もあり得ます.全身投与に関しては大規模ランダム化比較試験によって発症後3時間以内の例に対するrt-PAの有用性が示され,米国のほかいくつかの国では既に認可されています.本邦においても以前より有用性が指摘され,製薬企業によって治験が進行中あるいは計画されています.しかし局所線溶療法に関しては有用であるという主張が繰り返されていますが,質の高いエビデンスは存在せず,有用性は未だ確立されていません.また発症後3時間を超えた場合の血栓溶解療法の有用性についても可能性は示されていますが未だ確立されていません.
   現実には局所線溶療法は,最近の脳梗塞急性期治療の実態調査でも示されていますように,すでにかなり多くの施設で様々な形で行われています.しかし局所線溶療法の有効性に関しては低レベルのエビデンスしか存在せず、その低レベルのエビデンスは局所線溶療法を普遍的なものとして正当化するほどのものではありません.それでは局所線溶療法の利益を最大に引き出し,危険性を最小に抑えることはできません.また治療として確立することもできません.本研究では,現在得られるエビデンスを整理して局所線溶療法の最適な手順を定め,ランダム化比較試験を実施し,局所線溶療法の有用性を検証します.それを通じて質の高いエビデンスを産みだし,局所線溶療法に関する妥当な治療指針を導き出すことを目指しています.

 

  MELT研究班  |  プライバシーポリシー  |  セキュリティーポリシー  |  よくある質問  |  お問い合わせ  |

最終更新日

UCSD 超急性期脳梗塞に対する局所線溶療法の効果に関する臨床研究
―超急性期局所線溶療法多施設共同ランダム化比較試験―